スタンフォード大学の研究者が人工知能に「読書」をさせて人間の反応を教えることに成功
アメリカ・スタンフォード大学の人工知能(AI)研究者らは、「AIの行動に対する人間側のとるであろう反応」の予測の仕方をAIに学習させる新しい方法を開発しました。
研究者らは「Augur」と呼ばれる知識基盤を使っているのですが、このAugurに「YouTubeのテキスト版」とも言われるWattpadへのアクセスを許可し、そこにある60万本もの文書を「読書」させました。
その結果、文書から読み取った情報を基にすることで、AIは人々の取るであろう反応をより正確に予測することができるようになりました。
「数百万語以上の文書を参照した結果わかったことだが、人の取る行動は日常的な動作の方が非日常的な動作よりも画一的である」と研究チームは記しています。
「現代フィクションの登場人物は部屋に入ったら灯りを点ける。褒められれば赤面するし、会議中は電話に出ない、といった感じです」
実地試験でも71%の確率で予想を的中
Augurに接続されたカメラを使った、文書の情報から構築したアルゴリズムの実地試験では91%の確率で物体や人間を認識し、71%以上の確率で人間のとる次の行動を予測することができました。
今回の研究はあくまでも方法の一つへの道を示したに過ぎませんが、いずれは人間の反応を高い精度で予測できるAIが誕生することでしょう。
これを「人間の気持ちを読み取る」や「ロボットの心」と表現するかは人によるでしょうが、確実に未来が近づいてきていると言えそうです。
Via: Engadget