脳に電極を刺して短期記憶を長期記憶に変換する!?

国防高等研究計画局(DARPA)所属の研究者が、脳に疾患のある患者が新しい記憶を手に入れるのを補助する移植法を開発しました。

Brain implant may allow Alzheimer’s patients to keep their memories

http://www.geek.com/science/prosthetic-may-allow-alzheimers-patients-to-keep-their-memories-1635453/

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将来的には、アルツハイマー型認知症患者や脳へのダメージに苦しむ患者が、自己の感覚の喪失に悩まなくても良い日が来るかもしれません。今回研究者が開発したのは、脳に電極を刺して短期記憶を長期記憶にするのを補助するという方法です。この装置の眼目は、記憶のシグナルを認識してそれを増幅するアルゴリズムにあります。とはいえ、コンピューターが記憶シグナルを模倣できるからと言って、それが即記憶シグナルを認識できることにはなりません。Financial Timesの取材に対し、プロジェクトリーダーTed Berger氏はこう語りました。「スペイン語とフランス語の両方がわからないと翻訳できないようなものですよ。」別に思考が読みとられるわけではないんですね。

記憶を保持する過程というのは、まるで脳内で複雑な伝言ゲームをしているようなものです。長期記憶が成立するまでにはシグナルが何度も何度もエンコードされなくてはいけません。科学者たちは、このアルゴリズムを使えば脳のダメージを負った部位をバイパスし、短期記憶のシグナルを長期記憶にすることができると考えています。これは全く新しいコンセプトと言うわけではありません。近年、脊髄を損傷した人を手助けする手段がいくつか開発されました。中には、5年間寝たきりだった男性が歩けるようになった例もあります。

研究者たちは、動物の電気シグナルからヒト用のアルゴリズムを構築しました。直近の研究は、てんかん患者9人の協力を得て行われました。記憶を司る脳の部位、すなわち海馬に電極を挿入して被験者たちに簡単な作業をしてもらい、電気シグナルのインプットとアウトプットを記録しました。この研究によってアルゴリズムが洗練され、90%の精度で電気シグナルがどのように翻訳されるかを予測できるようになったのです。

このアルゴリズムが、海馬を損傷した人の脳で電気シグナルを長期記憶に翻訳できるのか。これを確かめるのが次のステップです。

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