カスタマイズ前提のPC「ELLO 2M」
ここ数年、家電量販店で購入できるPCの多くは中身を開くことを前提としておらず、一度開けたら何が何だか分からなくなってしまいます。
そんな最近の流れに逆走する「ELLO 2M」はDIYのコンピューターで、ユーザー自身の手でいじくりまわすために設計されたPCです。
DIYですから、当然ユーザーが組み立てないといけません。最初は大変かもしれませんが、一度完成させてしまえばプログラミングを習得したり、電子機器を設計したりするのに最適なマシンが出来上がります。
薄い基板を6枚重ねて極薄PCをDIY
ELLOには予めハンダ付けされた回路基板が6枚入っていて、これらを重ね合わせると厚さ6.4ミリメートルのPCが出来上がります。
非常に薄いELLOですが、右上に7インチの液晶ディスプレイ、左上にプロトタイピングボード、手前側にはキーボードを完備しています。
キーボードのために基盤2枚分のスペースを割いていますので、タイピングの際にはキーを押したことがしっかりとわかるくらいの手ごたえが得られるようになっています。
実際に組んだプログラムを試しに走らせることも可能
ELLOはレトロなコンピューターを現代的に解釈した製品であり、複雑なOSは搭載していません。
ELLOはBASIC言語、正確にはクリエイティブ・コモンのライセンスしたMMBasicによって動いていますので、基本的なプログラムを作るのには最適な環境と言えます。
ユーザーが自作したプログラムは、左上にプロトタイピングボードを使って実際に電子部品の回路を組んだ状態で走らせることができます。
プロトタイピングボードとは抵抗やコンデンサーなどの部品を付けたり外したりして、実際に基盤に回路を書いていく前に動くかどうかをチェックする仮設回路のようなものです。
ハンダ付けが不要ですので、簡単に回路を作り変えることができるのが最大の特徴です。
さて、ELLOを一台のPCとして見た場合、スペックも気になります。
スペックとしては、32ビットPIC32マイクロコントローラー、RAMは128kB、7インチディスプレイ(800 x 480ピクセル)、2.4GHz通信モジュール、4,500mAhバッテリーを搭載しています。
今年の夏の終わりに発売予定とのことで、事前予約はクラウドファンディングサイトである「Crowd Supply」のウェブサイトから行えます。
値段はプロトタイピングボードありが240ドル、なしが180ドルとなっています。
Via: Geek.com