電子ペーパーは時代遅れの技術?
電子ペーパーを時代遅れの技術とみなす空気があるのは、否定できません。
ともにディスプレイ技術の一種である、電子ペーパーと液晶やプラズマなどの薄型ディスプレイとでは何が違うのか、分からない方も多いのではないでしょうか。
液晶やプラズマは画面自体が発光して文字や画像を表示する方式で、一方の電子ペーパーは反射型表示と呼ばれる太陽や蛍光灯の光を反射する方式です。
この違いのおかげで、電子ペーパーは明るい屋外や画面を斜めから見た場合にも見やすく、またコピーを取ることもできるなど、まさに「紙」に近い感覚で使うことができます。
製造コストも安く、消費電力も液晶の1%以下と優れた性能を誇っています。
しかし現在出回っている製品は全て白黒であることなど、液晶などに比べて大きく見劣りする部分もあります(カラー化は世界中のメーカーが取り組んでいます)。
奥翼电子がグラフェンを使った電子ペーパーを開発
この電子ペーパーの新技術を今回開発したのが、中国の奥翼电子(Guangzhou OED Technologies)です。
奥翼电子が開発したのは、炭素素材の一つ「グラフェン」をベースとした世界初の電子ペーパーです。
強靭さと軽さを兼ね備えたグラフェンのおかげで、従来の電子ペーパーよりも明るさと耐久性が向上しており、日差しの強い日でも読みやすく、激しい運動をしても壊れない製品が開発できるようになると奥翼电子は期待しています。
また、従来の電子ペーパーに使われているインジウムという金属よりもグラフェンの方が安価であることから、製造コストや販売価格も抑えられるとしています。
発売日などは未定
読みやすく、丈夫になり、しかもお安くなるというのはいいことずくめですが、製品化はいつ頃になるのでしょうか。
奥翼电子は年内には製造を開始したいとしていますが、具体的にどのような製品に採用するかは非公開になっています。
前述のカラー化も実現すれば、液晶やプラズマと同等の画面表示と1%以下の消費電力を兼ね備えた電子ペーパーの時代が来るかもしれません。
Via: Engadget