経営不振に喘ぐシャープ
多国籍企業「シャープ」のブランドは世界的に有名であり、幅広い電子機器を製造していることで知られています。液晶パネル、携帯電話、フラッシュメモリ、オーディオ機器などのPC関連機器から電子レンジ、エアコン、お店のレジ、果ては太陽光発電パネルまで。しかし近年の経営不振のせいで複数回にわたって銀行からの融資を受けており、負債額の合計は約6,000億円とも言われています。
フォックスコンが買収に名乗り
台湾の電子機器製造請負企業「フォックスコン」がシャープを買収しようという動きを見せており、負債込みで6,250億円を提示したと見られています。しかし日本企業が外国資本の傘下に入ることになることから、日本政府の強い関心を呼んでいます。
また、フォックスコンの他にも官民出資の投資ファンド「産業革新機構」が名乗りを上げています。こちらは日本政府の後ろ盾のある組織ですが、出資額は3,000億円とフォックスコンの半額以下に留まっています。
買収後も経営陣は据え置きにするとフォックスコンが提示
フォックスコンは買収交渉を進めるため、買収後もシャープの上級経営陣は入れ替えないことを明言しました。シャープの所有権は台湾の企業に移るものの、その経営自体は日本人が引き続き行うことになります。
フォックスコンがシャープを欲しがる理由
なぜフォックスコンがシャープを欲しがるのか。それには大きな理由が2つあります。
まず1つ目は、シャープのディスプレイの設計と製造に関するノウハウが欲しいということです。これが手に入ればスマートフォンやタブレットの製造に最大限生かすことが出来ます。
そして2つ目ですが、こちらの方が興味を惹かれます。シャープという強力なブランドが市場にある一方、フォックスコンは自社製品の販売を目指していると言われてきました。もしもフォックスコンがシャープになったとしたら、フォックスコンはシャープブランドの力を使って自社製品の販売を全力で進めることでしょう。
シャープの買収交渉の結果が出るのは2月4日と見られています。この日はシャープの四半期決算が発表されるのと同じ日です。