眼球内埋め込み式デバイスの特許をGoogleが申請
眼鏡の形をした、ヘッドマウント方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ「Google Glass」。
2015年には一般向けの販売が中止されて、B2B(企業間取引)製品としての販売を検討してきました。
外見から受ける印象としては、ゴテゴテした眼鏡という形がいかにも野暮ったく、スマートさに欠けるというものです。
そしてGoogleは思い立ちました。見た目が悪いなら外から見えなくすればいいのだ、と。
先日申請された特許の情報を調べてみますと、Googleはこのデバイスを眼球の中に埋め込む方法を開発したようなのです。
水晶体を人工レンズで置き換える
新生された方法によれば、まずは眼球の中でレンズの役割をしている「水晶体」という部分を取り除く必要があります。
水晶体は「水晶体嚢」と呼ばれる透明の袋に包まれた構造をしています。
この水晶体嚢をなるべく傷つけずに中の水晶体だけを除去し、そこに特別な液体を注入します。
この液体は水晶体嚢の中で固まり、水晶体嚢とくっついてレンズの役目を果たすようになります。
これはもともとは視力の低下を補うために開発された、言わば永久コンタクトレンズですが、ただのレンズ以上の機能を持たせることに成功しました。
眼球の中にレンズに加え、ストレージ、センサー、バッテリー、通信機器を搭載して外部デバイスとの通信を可能にしたのです。
このバッテリーは眼球内で稼働し続けるのですが、その充電には「エネルギー回収アンテナ」と呼ばれる部品を使うと申請書には記述されています。
発想の由来はスマートコンタクトレンズ
Googleが眼球に注目したのは2014年にさかのぼります。
この年、Googleは極小サイズのワイヤレスチップを組み込み、装着者の血糖値を測定する機能を持った「スマートコンタクトレンズ」の特許を申請しています(上の画像)。
このスマートコンタクトレンズの特許は、スイスの世界的製薬企業「ノバルティスファーマ」と共同研究を行うことで実現に近づきました。
イメージセンサー部門で世界トップをひた走るSonyもこのスマートコンタクトレンズの開発レースに参戦していますが、こちらはコンタクトレンズにズーム機能などを持たせることを主眼としています。
安全性に不安の声
今回Googleが特許を申請した永久コンタクトレンズですが、コメント欄には、
「実現はいつになるのか」
「安全性は確保されているのか」
「もし実現したら誰かが他人の視界をジャックするだろう」
「俺の目を盗む気か」
「プライバシーなんてあったものじゃない」
といった声が並んでいます。
筆者も日常的にコンタクトレンズを着用していますが、眼球内に電子機器を埋め込むのには抵抗があります。
実現したら埋め込むかは個人の自由ですので止めはしませんが、きちんと納得のうえでご自身をサイボーグ化してください。
Via: Engadget