骨折治療の新しい方法!骨充填剤を骨に直接打ち込む!

重篤な骨折の治療には、リン酸カルシウム(骨の主成分)を使った骨充填剤が使われることがありますが、これを入れるには手術が必要です。安全性の高い方法ですが、フランスの研究チームがより簡単に充填剤を入れられるかもしれない技術を開発しました。

Scientists create injectable foam that can repair bones

http://www.geek.com/news/injectable-foam-created-that-repairs-bones-1643637/

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より患者への負担の少ない治療法を目指し、参考にしたのは建築で使われる技術

射出発泡成形の技術は、建築業界では必須の技術になってすでに長い時間が経っています。そしてこの技術はついに手術室にまで進出するようです。この医療用途の発泡素材はフランスで開発され、骨の治癒を目的としています。

仏国ナント大学の研究者であるPierre Weiss氏たちのチームは、骨折を治療するためのより良い方法を研究してきました。骨を構成する主要な元素の1つにカルシウムがあるのは皆さんご存じの通り。実際にリン酸カルシウムは骨補填材として100年以上にわたって使われており、十分に安全性や効果の実証されている方法ではあるのですが、Weiss博士らはより患者への負担が少ない方法はないものかと日夜研究を進めてきました。

問題は多孔性を維持しつつ射出できる素材の開発

射出発泡成形にリン酸カルシウムセメント(CPC。「セメント」は歯科領域で使われる歯の補填材としてのセメントと同じ)を使うというアイデアは、実は2004年ごろから議論されてきたものです。しかし骨の中に射出されたときに多孔性を維持できる素材というのがなかなか作れませんでした。これはスポンジのような性質を発揮するには不可欠の構造で、人の骨で言うと骨盤、頭蓋骨、肋骨、その他多くの骨の末端近くに見られる構造です。他にも骨折の完治を促進する効果もあります。

ミスから生まれた新素材

Weiss博士らのチームはこの課題に取り組み、そして偶然にも、ポリマー溶液の「シラン化水酸化プロピルメチルセルロース(Si-HPMC)」という物質をCPCに混ぜることで泡を作ることに成功しました。もともと混ぜる予定ではなく、誤って混入してしまったとのことですが、見事に泡が出来ていました。博士たちはSi-HPMCを取り除こうとしましたが上手く行かず、ほぼ諦めかけていたところに他のメンバー2人が来て、CPCにSi-HPMCを入れるという案を引き継ぎました。

2人はCPCとSi-HPMCをそれぞれ別の試験官に入れ、空気を加えてから同じ試験管に入れて混ぜました。すると気泡は良く混ぜられ、細かい泡を形成しました。こうしてできた「泡を含んだCPC」は射出成形に使うことができ、しかもCPCの機械的性質を安定的に保つという、まさに欲しかった通りの性質を備えていたのです。

すでに試験は完了しており、結果も上々とのことです。近い将来、骨折治療のために骨内にCPCを打ち込むようになるかもしれません。

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