国際宇宙ステーション内は思っていたよりも過酷な環境

中くらいの広さの部屋に4、5人の人と一緒に住んでいて、彼らが出ていかない状況を想像してみてください。そしてあなたは彼らと一緒にその部屋に約半年間居て、これまで誰も窓を開けなかったとします。空気は淀んで匂いもキツくなるでしょう。しかし国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙飛行士が直面するのは、まさにこのような状況なのです。考えるだけでも吐き気がしそうです。

Scientists collect dust from the ISS to figure out how gross it is

http://www.geek.com/science/scientists-collect-dust-from-the-iss-to-figure-out-how-gross-it-is-1638009/

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今回NASAJet Propulsion Laboratory(JPL)の研究者は、ISS内がどれだけ不快な環境なのかを示すサンプルを入手しました。

宇宙飛行士のScott Kelly氏は今年の始め、ISSの匂いを殺菌ゴミの匂いと表現しました。最低ですね。JPLはISS内のHEPAフィルター21枚を調査しました。このフィルターはISS内部の匂いを軽減するために40カ月使われてきたものです。また、塵と埃の詰まった真空バッグも回収しました。

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サンプルは、宇宙飛行士がISSに上がる前に地球上で過ごしたNASAの専用の部屋から回収したサンプルと比較されました。これらの施設はISSに雑菌などを持ち込まないようにするためのものですが、今回分析したサンプルにより、ISSでの雑菌の繁殖は防げないものであるということがわかりました。DNA解析の結果、皮膚の常在菌である放線菌はISS内部の方でよく見られ、また真空バッグの中には、これも常在菌である大量のブドウ球菌が検出されました。地上の部屋では発見されなかった菌(つまりISSの中で殖えた菌)もいましたが、危険な水準ではありませんでした。

JPLはまた、真空バッグの中にはHEPAフィルターの75倍の雑菌がいたことを見出しており、これはISSの壁が空気よりも汚染されていることを示しています。ISSの独特なにおいは、換気が出来ないことが原因です。ISS内で雑菌がどのように分布しているかがわかれば、将来の長期にわたる宇宙ミッションでの、宇宙飛行士の健康維持にも役立つことでしょう。

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