鳩を使った大気汚染調査がロンドンで開始
東京、ニューヨーク、ロンドン、パリなどの大都市ではビルがひしめき合い、交通路線が張り巡らされ、人ゴミでごった返しています。
そんな大都市の常として、郊外よりも大気汚染が深刻な問題になっており、特に中国の大都市では、それこそ即座に健康被害が出るレベルの汚染に悩まされています。
ですがこの「郊外よりも」というのは、どれほどのレベルで深刻なのでしょうか。そして大都市の中でも特に深刻なホットスポットはどこなのでしょうか。
巨大で人々に余裕のない大都市でこの調査をするのは容易ではありませんが、「Plume Labs」という会社がある調査方法を考案しました。それは鳩に調査用バックパックを付けて飛ばしてやるという方法です。
Plume Labs社は大気汚染の調査を専門とする会社ですが、調査に鳩を用いるのは同社としても初の試みです。
このバックパックは「羽毛と同じくらい軽く」作られており、内部には大気汚染物質である二酸化窒素(NO2)、揮発性物質、オゾンの値を計測するセンサーが入っています。
一度に10羽の鳩を飛ばし、ロンドンのごく狭い範囲の大気汚染物質の濃度を測定させます。鳩が持ち帰ったデータはウェブサイトで確認できます。
調査結果を5段階で評価
持ち帰ったデータより、その場所の大気汚染レベルは5段階に評価されます。
汚染レベルが低い方から順に、fresh、moderate、high、very high、extremeです。低い、普通、高い、とても高い、極端、とでも訳しましょうか。
低い(fresh)と評価されるのは一日中外に居ても健康を損なわないレベルの地域にしか与えられません。
Plume Labsによれば、ここまで厳しい評価基準を用いているのはPlume Labsだけだそうです。もはや「低い」ではなく「とてもきれい」といった方が良いかもしれません。
逆に極端(extreme)は最もひどいレベルを表し、人間も動物も外に出ないことが推奨されるレベルです。
先日行われた3日間の実用試験では、マッピング成果は上々だったと言います。
なにより、調査を行う過程で社用車が要らないので、余計な大気汚染を引き起こさなかったのがPlume Labsとしては大きな収穫でした。
今後はより広範囲に渡った調査を行う予定だとしています。
Via: Geek.com