動脈の中を可視化する新型デバイスが認可
動脈の壁の内側にコレステロールなどが塊を作り、血液の通り道が狭くなってしまう疾患を末梢動脈疾患(PAD)と言います。
PADの治療法の一つに、カテーテルを使って塊を削り取るアテローム切除術というのがあります。
塊を物理的に取り除く有力な治療法ではあるのですが、医師がカテーテルを操る際に頼れる情報が、X線と己の指先の感覚しかないという欠点があります。そして動脈壁を傷つければ当然出血を起こしてしまいます。
ですがアメリカ食品医薬品局(FDA)はこのたび、Avinger社の新型切除術用デバイス「Pantheris」を承認しました。
このデバイスを使えば、文字通り血管の中を見ることができるようになります。Pantherisは血管内の映像をリアルタイムで撮影するためのカメラを内蔵しており、これまでよりも正確に塊を削ることができます。
患者と医師のどちらにもメリット
専門的な内容になりますが、Panthersiは血管と塊を撮影するのに「光コヒーレンス断層映像法」を採用しています。
ミシガン州にあるプロビデンス・パーク病院所属のThomas Davis医師は、
「Pantherisのおかげで、世界で初めて塊のできた部位を正確に捉えることができるようになりました。健康な欠陥を傷つけてしまうリスクを最低限にまで抑えることができるのです」
とコメントしており、他にも患者や医師がX線に暴露する時間も減るメリットもあると付け加えています。
Via: Engadget