空中に画像や文字を投影する三菱の新技術
街にあふれる看板広告と言うものは、私たち消費者の興味を引いて、製品の購入につなげることを目的としています。
それゆえいかに消費者の目を奪うか、いかに興味を持たせるかが重要なファクターになっています。
看板と言えば板にペンキなどで文字を書いたものをまず想像しますが、青色発光ダイオード(LED)の発明によって巨大なパネルに動画を映し出せるようになってからは、この技術を利用した電子看板も増えています(ちなみに青色発光ダイオードを開発したのは日本人で、2014年のノーベル物理学賞を受賞しています)。
ですがこうした看板広告にも最大の弱点があります。
それは、わざわざ顔を看板の方向に向けないといけないということ。
空中に表示されて、しかもぶつからない看板。
そんな未来の技術を日本の三菱が開発しました。
三菱の開発した技術は何が新しいのか
空中に画像を浮かべるというのは、実は新規に開発された技術ではありません。
ですがこれまでのものは、たとえばテーブルの上に表示されるなど、歩いて近づけるようなものではありませんでした。
今回三菱が開発した技術は、歩いて画像を通り抜けることができて、しかもそのときに足で装置を蹴飛ばしてしまう心配もありません。
どういう原理なのでしょうか?下の図でご説明しましょう。
この装置のメインコンポーネントは、スクリーン、逆反射シート(retroreflective sheet)、ビームスプリッター(beam splitter)、それから「空中画像(Midair image)を映し出したい空間」です。
現在では、両脇にガイドイメージを付けられるドア部分での使用を想定しています。
装置は画像を浮かび上がらせたい場所から1メートルほど離れた場所にセットされます。
スクリーンに映し出された画像はハーフミラーを通して逆反射シートに投影され、ビームスプリッターを通して目的の場所に像を結ぶのです。
2020年を目標に、空中に鮮明な文字や画像を表示する新技術の商品化を計画中
この装置ではハイクオリティな画像を投影することができますので、十分読めるくらいはっきりと文字を浮かべることができます。
現在のところは看板広告や施設でのガイドに使うことを想定しているとのことですが、他にもいろんなことに応用できそうな技術です。
三菱はまだ多くの改良すべき点があるとはしていますが、2020年までには商品化したいとしています。
Via: Geek.com