無からお金を生み出す信用創造とは何か

金と銀はとても柔らかく、簡単に加工できるものとして魅力的で、地域の人々の中から金属の専門家が誕生しました。
そのなかでゴールドスミス(金細工師)はコインを鋳造する事によって取引を簡単に出来る様にしました。このコインは標準化されその価値が保証されるようになりました。

その金(きん)を守る為にゴールドスミスは金庫を作りました。

やがて町の仲間がやってきて、彼らのコインや貴重品を守る為の場所を貸してくれる様に頼む様になります。しばらくして彼は金庫の中を棚ごとに貸出し、金庫貸しとしてちょっとした収入も得る様になりました。

何年か過ぎゴールドスミスはずる賢い観察をしました。
預金者は彼らの金(きん)を実際に動かす事はめったにない。そして彼らがまとめて一度に金(きん)を取りに来る事もない。そこでゴールドスミスは金(きん)の預り証に決済機能を与え、それがあたかもお金そのものであるかの様に街に流通してゆきました。

一方、金庫で成功を収めたゴールドスミスは、金(きん)に利息をつけて貸し出すというもうひとつのビジネスも行っていました。彼の便利な紙のお金が受け入れられる事によって、借り手は金属に代わって紙のお金でローンを頼む様になりました。

やがてこの事業もどんどん拡大していき、彼はついにある考えを思いつきました。彼はほとんどの預金者が、金を実際に動かす事がないのを知っていました。
彼は考えたのです。
自分の持っている金に加えて、預金者達の金を担保に紙幣を貸す事が出来るのではないか」と。ローンが返済される限り預金者は何も気付かず、何も悪い事はない。

こうしてゴールドスミスは大金持ちとなりました。同じ町の仲間よりも裕福になってそれを誇示するようになりました。

街の住人達は、彼が預金者の金を使いこんでいるのではないかと疑いを持つ様になりました。預金者達は集まって、もしゴールドスミスが彼の財産についてはっきりしないならば金を引き出すぞと脅しました。

期待とは裏腹にこれはゴールドスミスにとって痛手にはなりませんでした。ペテンはうまくいったのです。なぜならローンが返済されれば貸したお金は元に戻るので、金庫にあるお金よりも大きな金額を貸すわけではないので、預金者のお金はちゃんと金庫の中にあったからです。

そこで預金者たちはゴールドスミスに金利によって、分け前を支払う様に要求しました。

これが銀行業の始まりです。しかしこれは現在の銀行が行っているやり方ではありません。銀行家ゴールドスミスの悪知恵はこの程度では終わらなかったのです。

少しまとめると…
まとめ
  1. 金や銀の預かり証を流通させることによってその紙にお金としての価値をあたえた
  2. 自分のお金だけでなく金庫にある金や銀を担保としてお金(預かり証)を貸し、その利息で儲けると同時に、その一部を預金者に金利として還元した。

つまり、金や銀を貸す代わりに、預かり証を貸すことでローンをしやすくし、さらに預金者から集めた金をもとにお金を貸し、その利息でお金を増やしていったということですね。

さらにエスカレートする銀行家ゴールドスミス

銀行家ゴールドスミスは預金者に分け与えられた金利の後に残った収入だけでは満足しませんでした。
この時代銀行家に対する需要は世界的に拡大しヨーロッパでは急成長を遂げました。
しかしながら彼のローンは金庫にある預金者の預金量に制限されていました

そこで彼は大胆なアイデアを思いつきました。
彼の金庫にある中身の事は彼以外誰も知らない。
「金(きん)がなくても紙幣を貸し出す事が出来るのではないか?」
紙幣の持ち主が同時に金の返還を要求する事はない。誰も気づくものはいないだろう。
この新しい計画はとてもうまく行きました。そして銀行家は実際にはありもしない金の金利によって莫大な富を築く事になったのです。しかしこれはもし一度に大勢の人がお金を引き出そうとしたらたちまち崩壊してしまう不安定なシステムでした。

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