無からお金を生み出す信用創造とは何か

金融や経済の仕組みを知っていることは大切なことです。例えば、なぜいわゆる国の借金がこれほど膨れ上がっているのに、国家が破たんしたりしないのか気になったことはありませんか?

なぜ、お金を預かったり貸したりするだけの銀行が潰れたりするのか?

金融に関するこのような疑問は多くの人が「お金とは何か」について誤って理解しているために生じているのだと思います。

Money as Debt(負債としてのお金)」という信用創造や金融機関の役割についてよくわかる良い動画を見つけたので、その内容をまとめてみました。動画を見たい方はYoutubeで探せば出て来るはずです。

『アメリカの実業界において 超大物の何人かの人々はある事を恐れている彼らは知っているどこかに とても巧妙に用心深くかしこく 完全に連結され邪道な 組織化された恐ろしい力があることを。そして それを糾弾する声を出してはならないことも わかっている』

-第28代アメリカ合衆国大統領 ウッドローウィルソン-

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銀行は無からお金を創造している

お金はどこで作られているか

誰しもがお金を使ったことがあるし、あるいは金融機関からお金を借りたことがあるはずです、しかし「お金とは何か」について正しい知識を持っている人はどれだけいるのでしょう。

私達が「お金はどこからやって来るの?」と疑問を持つ時、
造幣局が紙幣を印刷したり貨幣を刻印している様子が心に浮かぶ。
私達はお金が政府によって作られていると信じている。
それは本当だ。でも真実の一端にすぎない。 (Money as Debt)

私たちがお金として考えている紙幣や貨幣はもちろん造幣局によって作られていますが、しかし世の中のお金のほとんどは造幣局によって作られているわけではないのです。

ではどこで作られているか、それは

「銀行と呼ばれる民間の金融機関で毎日とてつもない金額が創造されている」のです。ふつう金融機関というと、私たちは預金者によって預けられたお金を金融機関が貸し出しをしていると信じていますが、それは事実ではありません。

実際には預金や金融機関が稼いだお金を貸すのではなく、「借り手が約束している返済から」お金を創造しているんです。借り手がローンの際に署名をした瞬間、ローン金額と利息を支払う義務を負う。返済出来なければ、家や車などの資産を失う誓約をさせられるのです。つまりその瞬間金融機関は魔法のようにお金を手に入れたことになるのです。

これだけでは少しわかりにくいので、まずは銀行の成り立ちから説明しましょう。

銀行とは何者か

金細工師ゴールドスミスの話

昔々、かつて現在のような貨幣制度のなかった時代は様々なものがお金として使われていました。例えば貝殻、きれいな石、羽根などなど。それは人々が「十分に価値がある」と認めるものでなければいけませんでした。

金と銀はとても柔らかく、簡単に加工できるものとして魅力的で、地域の人々の中から金属の専門家が誕生しました。
そのなかでゴールドスミス(金細工師)はコインを鋳造する事によって取引を簡単に出来る様にしました。このコインは標準化されその価値が保証されるようになりました。

その金(きん)を守る為にゴールドスミスは金庫を作りました。

やがて町の仲間がやってきて、彼らのコインや貴重品を守る為の場所を貸してくれる様に頼む様になります。しばらくして彼は金庫の中を棚ごとに貸出し、金庫貸しとしてちょっとした収入も得る様になりました。

何年か過ぎゴールドスミスはずる賢い観察をしました。
預金者は彼らの金(きん)を実際に動かす事はめったにない。そして彼らがまとめて一度に金(きん)を取りに来る事もない。そこでゴールドスミスは金(きん)の預り証に決済機能を与え、それがあたかもお金そのものであるかの様に街に流通してゆきました。

一方、金庫で成功を収めたゴールドスミスは、金(きん)に利息をつけて貸し出すというもうひとつのビジネスも行っていました。彼の便利な紙のお金が受け入れられる事によって、借り手は金属に代わって紙のお金でローンを頼む様になりました。

やがてこの事業もどんどん拡大していき、彼はついにある考えを思いつきました。彼はほとんどの預金者が、金を実際に動かす事がないのを知っていました。
彼は考えたのです。
自分の持っている金に加えて、預金者達の金を担保に紙幣を貸す事が出来るのではないか」と。ローンが返済される限り預金者は何も気付かず、何も悪い事はない。

こうしてゴールドスミスは大金持ちとなりました。同じ町の仲間よりも裕福になってそれを誇示するようになりました。

街の住人達は、彼が預金者の金を使いこんでいるのではないかと疑いを持つ様になりました。預金者達は集まって、もしゴールドスミスが彼の財産についてはっきりしないならば金を引き出すぞと脅しました。

期待とは裏腹にこれはゴールドスミスにとって痛手にはなりませんでした。ペテンはうまくいったのです。なぜならローンが返済されれば貸したお金は元に戻るので、金庫にあるお金よりも大きな金額を貸すわけではないので、預金者のお金はちゃんと金庫の中にあったからです。

そこで預金者たちはゴールドスミスに金利によって、分け前を支払う様に要求しました。

これが銀行業の始まりです。しかしこれは現在の銀行が行っているやり方ではありません。銀行家ゴールドスミスの悪知恵はこの程度では終わらなかったのです。

少しまとめると…
まとめ
  1. 金や銀の預かり証を流通させることによってその紙にお金としての価値をあたえた
  2. 自分のお金だけでなく金庫にある金や銀を担保としてお金(預かり証)を貸し、その利息で儲けると同時に、その一部を預金者に金利として還元した。

つまり、金や銀を貸す代わりに、預かり証を貸すことでローンをしやすくし、さらに預金者から集めた金をもとにお金を貸し、その利息でお金を増やしていったということですね。

さらにエスカレートする銀行家ゴールドスミス

銀行家ゴールドスミスは預金者に分け与えられた金利の後に残った収入だけでは満足しませんでした。
この時代銀行家に対する需要は世界的に拡大しヨーロッパでは急成長を遂げました。
しかしながら彼のローンは金庫にある預金者の預金量に制限されていました

そこで彼は大胆なアイデアを思いつきました。
彼の金庫にある中身の事は彼以外誰も知らない。
「金(きん)がなくても紙幣を貸し出す事が出来るのではないか?」
紙幣の持ち主が同時に金の返還を要求する事はない。誰も気づくものはいないだろう。
この新しい計画はとてもうまく行きました。そして銀行家は実際にはありもしない金の金利によって莫大な富を築く事になったのです。しかしこれはもし一度に大勢の人がお金を引き出そうとしたらたちまち崩壊してしまう不安定なシステムでした。

このころには銀行家が提供する大量のお金がヨーロッパの産業拡大には不可欠なものとなっていました。国は、銀行家のやっていた行為を知っていましたがその力が必要だったのです。国は銀行家のこの不安定なシステムが崩壊することを恐れたのです。

それを防ぐためには法律を使うのが一番簡単な方法でした。こうしてお金を創る方法が法律化され規制化されました。銀行家は無から創り出す金の量の規制に合意したのです。

その限界は、金庫にある金銀の実際の量より何倍も大きなものでした。

その通常の割合というのは実際の金が1の量に対し虚構のお金は9でした。
中央銀行は地方銀行を金の緊急注入をもって支え、それがまた取り付け騒ぎの際に調整として使われました。
一度にたくさんの取り付けが起きない限り銀行の信用貸しは、バブルがはじけたりシステムダウンする心配もなくなったのです。

まとめると
まとめ
  1. 金や銀の預かり証を流通させることによってその紙にお金としての価値をあたえた
  2. 自分のお金だけでなく金庫にある金や銀を担保としてお金(預かり証)を貸し、その利息で儲けると同時に、その一部を預金者に金利として還元した。
  3. やがて、金庫にありもしない金(きん)の預かり証を貸し出し、その金利でさらに莫大な資産を築いた。
  4. その経済力を必要とした国が法の整備を行い、1の金に対し9の虚構のお金を貸すことを認めた

こうして虚構のお金を貸すことができるようになった銀行は、無からお金を生み出すことができるようになったというわけです

99%の人が知らない金融システムの真実

長い間のうち、中央銀行に支えられた銀行ネットワークの準備預金制度は世界的に広がりました。同時にマネーに対する金の裏付けの割合は着実にしぼんでゆき、金との交換券という役割を持たなくなりました。お金の基本の性質が変わったのです。

政府は新しいお金の創造に、準備預金制度として知られるルールを強制する事によって、法的限度を設けました。以前までは1の金から9のお金を生み出していました。お金の性質が変わった後は1のお金から9のお金を生み出せるという仕組みです。この、信用によってお金を生み出す仕組みを信用創造といいます。

以前はお金は価値を表していたのですが、現在は負債を意味します。

どういうことか?

つまり新しいお金は誰かが銀行からお金を借りると創られるのです。結果としてお金の総額は人々が借りられる限界の総借金額となります。

少しわかりにくいのでこれを具体的な話に置き換えるとわかります。

ローンによって生み出されるお金

銀行の預金準備率は9:1とすると銀行は中央銀行に1のお金を預ければ9のお金を貸すことができるといいました。

  1. 中央銀行がA銀行に100万円を供給する。
  2. A銀行はこの100万円をX社に融資し、X社はこの100万円をB銀行の預金口座に振り込む。
  3. B銀行が預かる預金が100万円となり、B銀行はこの10%にあたる10万円を日銀に預け入れる。
  4. B銀行は残りの90万円をY社に融資し、Y社がC銀行に保有の預金口座に振り込む。
  5. C銀行が預かる預金が90万円となり、C銀行はこの10%にあたる9万円を日銀に預け入れる。
  6. C銀行は残りの81万円をZ社に融資し、Z社がD銀行の預金口座に振り込む。
  7. D銀行が預かる預金が81万円となり、D銀行はこの10%にあたる8.1万円を日銀に預け入れる。
  8. D銀行は……

という連鎖が起こり、結局A銀行、B銀行、C銀行、D銀行、……という銀行が預かっている預金額の合計は、中央銀行が供給した資金100万円の1/0.1=10倍となる。

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