2016年10月24日のGoogleのトップロゴ「Doodle」は以下のような画像になっています。
今日は「微生物学の父」として知られるアントニ・ファン・レーウェンフックの生誕384周年を記念してそれぞれの文字が微生物を模したデザインになっています。
彼は17世紀ごろのオランダの科学者で、世界で初めて顕微鏡を使って微生物を観察した人物です。
アントニ・ファン・レーウェンフックとは?
アントーニ・ファン・レーウェンフックはオランダの商人、科学者。歴史上はじめて顕微鏡を使って微生物を観察し、「微生物学の父」としても知られています。
彼はもともと織物商で、その頃から洋服の生地を見るために虫眼鏡を使用して細部を見ることが多かったため、レンズの取り扱いなどにな慣れていました。
その後、彼は科学の教育などは受けていませんでしたが、自作の顕微鏡を使って数々の発見をすることになります。
レーウェンフックが初めて作った顕微鏡は、金属でできた板に直径約1mmのレンズをはめ込んだシンプルなものでした。

初期のレーウェンフック型の顕微鏡の複製
レーウェンフックはこれを使って身の回りのものを見ては、観察していました。実はこの中にも当時まだ未発見のものが多くあったといいます。しかしアントニーは学者ではなかったため公表することもありませんでした。
その後1674年のこと、レーウェンフックが湖から取ってきた水を観察していたときに、今まで見たこともないような動く物体を発見します。これが生き物であるという確証はありませんでしたが、それを「微小動物」と名付けました。
この時レーウェンフックの作った顕微鏡は改良を重ねてすでに200倍〜300倍もの倍率で観察をすることができたといいます。
小中学校で使うような一般的な顕微鏡で最大400倍程度ですので、当時の技術力で、1人で作った顕微鏡が300倍近い倍率を出していたというのは驚きです
彼はいろいろなものを観察してはそれを分析していきます。小さな昆虫が卵から生まれているということを発見したのも彼です。
また、微生物の大きさを砂粒と比較して推測したり、微生物の誕生や死についても観測していたといいます。
彼の観察の中で有名なものといえば、生まれてから一度も歯を磨いたことがないという2人の年配の男性から歯垢をこすり取って観察したものが残っています。
男性の歯垢からは「信じられないほど多くの微小動物が見つかり、かつて見たことがないほど激しく泳ぎ回っていた。まるで唾液が生きているようだった」と記してあります。
当時アントニー・ファン・レーウェンフックの名前を知る人は殆どいませんでしたが、1673年以降彼の知人の解剖学者の紹介でロンドンの王立協会に所管を送り続けた結果、彼の観察記録をまとめたレーウェンフック全集が発刊されることとなり、さらに1680年には王立協会会員として迎い入れられます。
彼の発見した物の殆どは、それまでだれも見たことのないようなものでした。
しかし、最初のうちこそ世間はレーウェンフックの発見に注目したものの、次第に人々の関心は薄れていき、学者たちの間でも微生物の存在は忘れられていってしまいます。
いまでも、微生物学の父としてレーウェンフックの名を知る人は少ないように思います。
そんな不遇の科学者アントニ・ファン・レーウェンフックが今日のDoodleでした。