ノーベル賞級!最新ゲノム編集技術で生まれたウイルス抵抗をもつブタ

最近、「サイエンス」誌によって2015年の”科学分野最大のニュース”とされたゲノム編集技術でノーベル賞級の研究が、The Nature Biotechnologyに発表されました。イギリスの動物遺伝子工学の会社が、アメリカの科学者たちと共同で、ゲノム編集の最新の技術を使い、世界で初めてよくあるウイルス疾患に抵抗性をもつブタを作ることに成功したと報じられました。

 

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民間会社と大学の共同研究


世界中の農家にブタとウシの精子を提供しているGenus
という会社は、ミズーリ大学と共同でブタ生殖器・呼吸器症候群ウイルスPorcine Reproductive and Respiratory Syndrome VirusPRRSv)に抵抗性を持つブタを開発したと発表しました。
青い耳病(blue-ear disease)としても知られるその病気は、動物の免疫系を冒すことで死に至らしめ、毎年農家に何百万ドルもの損害を与えます。治療法はないです。正確なゲノム編集を行うことにより、ミズーリ大学のチームは、動物の体内でそのウイルスが広がるときに必要なある特別なタンパクを作らないブタを開発することに成功しました。

 

初期段階のこの研究は、新しいPRRSv抵抗性のブタが、そのウイルスにさらされても病気を発症せず、正常に体重が増加していくことを証明しました。これらの抵抗性ブタの開発は、バイオテクノロジー企業に嵐を巻き起こしているゲノム編集のもつ力をさらに証明することとなりました。ジーニャスのチーフサイエンスオフィサーであるジョナサン・ライトナーは、それは「養豚産業にとってゲームチェンジャーとなる可能性を秘めている」と語りました。生きている器官のゲノムを編集することは、病気を治し農作物や動物種の品種を改良する大きな可能性を持っています。しかし、この技術を人間に応用したとき、それは「デザイナーベビー」を作り出すこととなり、ヒト胚の遺伝子操作を世界的に禁止していることから非難にさらされることになります。

最先端ゲノム編集

ゲノム編集は、ワードプロセッシングプログラムのような生物学的な「ハサミ」を用いて、ある特定のDNA伸長を見つけ出し置き換えることにより遺伝子を編集する技術です。その技術は、倫理上そして安全上の問題が議論されているにもかかわらず、世界中の研究室で用いられています。ワシントンで先週開催されたヒトゲノム編集に関する国際会議では、ヒトゲノム編集に対する注意喚起がなされたが、ヒト胚に対するゲノム編集は研究目的に限り許されるとしています。 ジーニャスのゲノム編集ブタの研究は未だ初期段階であり、ライトナーは、完全な開発とその技術の商業化にはいくつかの重大な課題があると述べました。

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リベラルなアナリストであるソフィー・Jourdierは、商業化には5年かそれ以上かかるだろうが、新しい疾患に抵抗性のブタは、PRRSvがもたらす経済的な被害から考えジーニャスの長期的な発展に貢献するだろうといっています。ジーニャスが引用したアイオワ州立大学の2011年の研究によれば、PRRSvは数百万匹のブタに被害を加え、毎年養豚産業にアメリカで約700万ドル、ヨーロッパで15億ユーロ(16億ドル)もの損害を与えています。

Disease-resistant pigs latest win for gene editing technology Ben Hirschler 著

 

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