天然の薬を使って病気を治す野生動物たち

野生の猿は、風邪をひいたとしても薬局に行って風邪薬を買うことはできません。ですが、自然界において病気は生死を分けるもの。いったいどのような対策を取っているのでしょうか。

Self-Medicating Monkeys Gobble Painkilling Bark

http://www.scientificamerican.com/article/self-medicating-monkeys-gobble-painkilling-bark/

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アカコロブスサル

ジョージア大学の生態学者 Ria R. Ghai 博士と研究チームは、ウガンダにあるキバル国立公園に生息する100匹以上のアカコロブスサルを4年間以上追跡調査し、アカコロブスサルが天然の風邪薬を使っていることを発見しました。鞭虫に寄生されたアカコロブスサルは移動や毛づくろいにかける時間が減り、休憩を取る時間が増えます。そして食事時間は健康な個体と変わらないものの、樹皮を食べる量が2倍に増えます。研究成果は学術雑誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載されました。

サルの風邪薬

樹皮には繊維が豊富に含まれており、サルの消化管を綺麗にしてくれます。ですが Ghai 博士は、それ以上の理由があるに違いないと睨みました。体調不良の猿が好んで食べる樹皮9種類のうち、実に7種類に防腐作用鎮痛作用などの薬理作用が認められました。つまり、サルがセルフメディケーションをしていたのです。これらの樹木は、現地の人が治療に使う木々と同じ種類であったこともあり、Ghai 博士はただの偶然ではないと考えました。

毒を以て毒を制すアリ

また、スウェーデンヘルシンキ大学の研究者が、セルフメディケーションをするアリの証拠を世界で初めて発表しました。 Formica fusca という、良く見かけるアリを危険なカビにさらすと、感染した個体は、用意した4~6%過酸化水素を飲むようになりました。一方で健康な個体はこれを飲みません。過酸化水素水は少量であればカビを駆除してくれますが、大量に飲むとそれ自体が有毒なのです。そして予想通り、少量摂取したアリはカビに屈する事無く生き延びました。自然界では植物から過酸化水素を摂取し、アブラムシの大繁殖に対応しているのだと考えられています。

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